9月10日の日本株は、朝からかなり厳しいスタートになりました。
前日の米国市場では、NYダウ、NASDAQ、S&P500がそろって下落。さらに原油価格は上昇し、米10年債利回りも高い水準にあります。
その影響を受け、今日の日経平均は前日比374円安の64,768円でスタート。
その後も売りが続き、前場には一時950円を超える下落となりました。
前引けの日経平均は64,597円46銭、前日比545円32銭安。
TOPIXも下落し、東証プライムでは値下がり銘柄が値上がり銘柄を大きく上回りました。
ただ、今日の相場を「日経平均が大きく下がった日」だけで終わらせると、見えてこないものがあります。
それが、
「下落する市場の中で、どこに資金が残っていたのか」
という部分です。
朝に考えていたことは、実際の相場でどうなった?
今朝の記事では、
- 米国株安
- 原油100ドル超
- 円高基調
- 日経先物の大幅安
という悪材料が重なる一方で、
SOX指数はプラスだったため、半導体・AI関連に相対的な強さが残るのか
という点を確認ポイントにしていました。
さらに昨日までの相場では、
AI・半導体
↓
データセンター
↓
通信・電線
↓
非鉄・資源
というように、資金が周辺テーマへ広がっていました。
そこで今日の最大のテーマは、
「この資金循環が、全面的なリスク回避によって崩れるのか」
でした。
結論から言えば、今日はかなり強い売り圧力がかかりました。
しかし、すべてのテーマが同じように売られたわけではありません。
今日の相場を動かした「3つの重し」
今日の日本株を見るうえで、まず押さえておきたいのが外部環境です。
① 原油価格が100ドルを超えた
前日の米国市場では、Brent原油が1バレル101ドル台まで上昇。
中東情勢の緊迫化によってエネルギー供給への不安が強まり、原油価格の上昇がインフレへの警戒につながっています。
原油が上がると、企業にとってはエネルギーコストが上昇しやすくなります。
さらにインフレが長引けば、米国の金融政策にも影響する可能性があります。
つまり、
原油高 → インフレ警戒 → 金利上昇 → 株式市場への逆風
という流れです。
② 米国株が3指数そろって下落
9日の米国市場では、
NYダウ
→ 52,380.66ドル
NASDAQ
→ 26,253.34
S&P500
→ 7,636.36
となり、主要3指数がそろって下落しました。
特にNYダウは405ドル安。
NASDAQも168ポイント下落しています。
日本株にとっては、これも大きな重しでした。
③ 米長期金利と為替
米10年債利回りは4.84%前後まで上昇。
さらにドル円は153円台を中心に推移しました。
今日はこの「原油・金利・為替」の3つが、株式市場全体に圧力をかける形になりました。
それでも半導体は完全には崩れなかった
ここが今日の相場で一番面白かったところです。
朝の時点では、
「SOXがプラスなら、日本の半導体株にも相対的な強さが残るかもしれない」
と考えていました。
実際、前場ではアドバンテストが日経平均のプラス寄与トップとなる場面がありました。
一方で、東京エレクトロンは日経平均を128円以上押し下げる最大のマイナス寄与となり、イビデンやフジクラ、ソフトバンクグループなども指数を押し下げました。
つまり、
「半導体だから強い」
という単純な相場ではありませんでした。
強い銘柄と弱い銘柄がはっきり分かれています。
これは昨日までの相場とは少し違うところです。
昨日まで強かった「電線・データセンター」はどうなった?
昨日はフジクラ、古河電工、住友電工などの電線株が強く、AI・データセンター関連への資金流入が目立ちました。
さらにJX金属、住友金属鉱山、三井金属など非鉄株にも買いが入りました。
9日の大引けでも、フジクラ、古河電工、イビデン、レーザーテック、JX金属、住友金属鉱山、三井金属などが強さを見せていました。
ところが今日は、その流れにもブレーキがかかりました。
後場寄りの段階では、フジクラ、三井金属、住友金属鉱山、イビデン、住友電工などが下落する一方、アドバンテストや銀行株の一部には買いが入っていました。
ここから見えてくるのは、
昨日までの「テーマ買い」が、そのまま今日も続いたわけではない
ということです。
今日の相場で起きた資金の変化
昨日までの流れを簡単にすると、
AI・半導体
↓
データセンター
↓
電線・通信
↓
非鉄・資源
という広がりでした。
しかし今日は、
市場全体への売り
↓
テーマ株にも利益確定・換金売り
↓
それでも一部の強い銘柄には資金が残る
という状態に変化しました。
つまり、資金が完全に市場から消えたというより、
「何でも買う相場」から「銘柄をかなり選ぶ相場」へ移った
と見るほうが分かりやすいでしょう。
今日の相場で重要だったのは「指数」より「強弱」
今日の日経平均は、一時950円を超えて下落しました。
しかし、その数字だけを見てしまうと、
「日本株は全部弱い」
と感じてしまいます。
実際には、前場のプライム市場で値上がり535銘柄に対して値下がり959銘柄と、かなり売り優勢でした。
それでも、アドバンテストなど一部の銘柄には買いが入っています。
ここが、今日のような相場を見るときのポイントです。
指数が弱いから全部弱いのではない。
逆に、
テーマが強いから関連銘柄が全部強いわけでもない。
株価だけではなく、
株価
+出来高
+テーマの強弱
+市場全体の方向
を一緒に見る必要があります。
朝の仮説は当たったのか?
ここで、朝に立てた仮説を答え合わせします。
仮説①
米国株安・原油高・円高・日経先物安で、日本株は売り先行になる
→ これはそのまま当たりました。
実際に日経平均は374円安で始まり、その後さらに下げ幅を拡大しました。
仮説②
SOXがプラスなので、半導体・AIには相対的な強さが残る可能性がある
→ 一部では当たりましたが、全面的な強さにはなりませんでした。
アドバンテストのように強さを見せる銘柄がある一方、東京エレクトロンやイビデンなどは指数の下押し要因になりました。
仮説③
昨日強かった電線・通信・非鉄に資金が残るか
→ 昨日ほどの強さは確認できませんでした。
昨日の主役だったフジクラや非鉄株などにも売りが広がり、昨日までの資金循環は一度弱まったと考えられます。
今日分かったこと
今日の相場から見えてきたことは、かなりシンプルです。
日本株の上昇を支えていたAI・半導体関連への資金が、外部環境の悪化によっても無条件に残るわけではない。
原油が100ドルを超え、米金利が上昇し、米国株も下落。
この状況になると、これまで強かったテーマにも利益確定やリスク回避の売りが入りやすくなります。
一方で、アドバンテストのように相対的な強さを見せる銘柄もあります。
だからこそ、これから重要になるのは、
「どのテーマが強いか」だけではありません。
「市場全体が弱い日に、それでも売られにくい銘柄はどこか」
を見ることです。
明日につながるポイント
明日の相場を見るうえでは、今日の下落だけで判断するのではなく、
① 原油価格が落ち着くか
② 米10年債利回りが低下するか
③ ドル円がさらに円高へ進むか
④ SOX・米半導体株が日本株を支えられるか
⑤ 今日売られたAI・半導体・電線・非鉄に再び資金が戻るか
この5点を確認したいところです。
特に重要なのは、
「昨日強かった銘柄が、今日の下落局面でも相対的に強かったのか」
です。
これが確認できれば、昨日までの資金循環が完全に終わったのか、それとも一時的に休んでいるだけなのかが見えてきます。
まとめ
9月10日の日本株は、朝から厳しい売りに押される一日となりました。
米国株安、原油高、米長期金利の上昇、そして中東情勢への警戒。
悪材料が重なる中で、日経平均は前場に一時950円を超える下落となりました。
昨日までの相場では、
AI・半導体
→ データセンター
→ 電線・通信
→ 非鉄・資源
と資金が広がっていました。
しかし今日は、その流れが一度止まりました。
それでも一部の半導体株には買いが入るなど、すべての資金が市場から逃げたわけではありません。
今日の相場を一言で表すなら、
「上昇テーマを探す相場」から「下落相場の中で強い場所を探す相場」へ変わった一日
だったと言えそうです。
明日は、今日の下落を単なるリスク回避として見るのか、それともこれまで続いていた資金循環の転換点と見るのか。
その答えは、株価だけではなく、出来高とテーマの強弱を追うことで少しずつ見えてくるはずです。
読んでくれた方に幸あれ
👉 明日の仮説を立てていきます🌅



