昨日の日本株は、まさに「半導体・AI相場」と呼べる一日でした。
日経平均は前週末比1,378円高となる66,399円まで上昇。
先週末の米国市場で半導体関連株が強かったことを受け、日本でもアドバンテスト、東京エレクトロン、レーザーテック、ソフトバンクグループなどに買いが集まりました。
そのため、今朝の記事では、
「昨日の大幅高が今日も続くのか?」
を一番のテーマとして取り上げました。
ところが、今日9月8日の相場は、その期待とは違った展開になりました。
日経平均は一時プラス圏まで戻す場面があったものの、最終的には大きく下落。
終値は、
65,269円33銭
前日比、
-1,130円51銭
となりました。
昨日1,378円上昇した翌日に、1,130円下落。
数字だけを見ると、かなり激しい相場です。
しかし、今日一日の動きを丁寧に追ってみると、単純な「日本株全面安」ではありませんでした。
むしろ今日の相場から見えてきたのは、
「半導体・AIにはまだ資金が残っている一方、日本株全体を取り巻く環境が一気に重くなった」
ということでした。
朝の予想はどうだったのか?
まず、今朝の記事で立てた仮説を振り返ります。
今日の朝に注目したのは、
- 昨日の半導体・AI買いが続くのか
- 半導体からAIへ資金が広がるのか
- データセンター・通信にも資金が向かうのか
- 電力・空調など周辺テーマに変化が出るのか
- 日経平均だけではなく市場全体にも買いが広がるのか
という5つでした。
そして一番大きなテーマは、
「昨日の主役が今日も主役なのか?」
でした。
結果から言えば、
半導体・AIの一部は今日も強かった。
しかし、
日本株全体は強さを維持できなかった。
この二つが同時に起きた一日でした。
ここが今日の相場を理解するうえで非常に重要です。
朝は一度、期待どおりの動きを見せた
今日の朝は、前日の大幅高の反動や円高を警戒して売りが先行しました。
ところが、そのまま下落し続けたわけではありません。
国内金利の低下などを背景に、AI・半導体関連の一角に買いが入り、日経平均はいったんプラス圏まで戻しました。
つまり、朝の段階では、
「昨日の半導体・AI買いはまだ終わっていないのでは?」
と思わせる動きが出たわけです。
ここは今朝の仮説と一致しました。
昨日の主役だった半導体・AI関連には、今日も買いが入った。
この点については、朝の見方はある程度機能していたと言えます。
ところが、午後から相場の空気が変わった
今日の大きな転換点は午後でした。
急速な円高に加え、中東情勢を巡る不透明感が高まり、相場の雰囲気が変化。
東京市場ではドル円が一時1ドル=152円台まで円高に進みました。
さらに午後には、中東情勢を巡る報道を受けて原油価格も上昇。
こうした材料が重なり、日経平均は再び下落方向へ。
最終的にはこの日の安値圏で取引を終えました。
つまり今日の相場は、
朝
売り先行
↓
半導体・AIに買い
↓
日経平均が一時プラス
午後
円高
+
中東情勢への警戒
+
原油高への警戒
↓
再び売り
という流れでした。
今日、一番面白かったのは「全部が同じように売られたわけではない」こと
日経平均が1,130円も下落すると、
「今日は株が全部ダメだった」
と思ってしまいがちです。
しかし、実際にはそう単純ではありません。
今日も、
ソフトバンクグループ
アドバンテスト
東京エレクトロン
など、指数への影響が大きいAI・半導体関連株には買いが入る場面がありました。
つまり、
指数は大きく下落しているのに、AI・半導体の一部には買いが入っている。
この状態です。
これは今日の市場を考えるうえで非常に重要なポイントです。
「半導体が弱くなった」とは言い切れない
昨日の記事では、
SOX
↓
日本の半導体
↓
AI
↓
データセンター
という資金の流れを追いました。
今日、その流れが完全に消えたわけではありません。
むしろ、
市場全体が悪化する中でも半導体・AIの一部には買いが残った
と見ることができます。
これは、
「半導体が完全に終了した」
という相場とは少し違います。
むしろ、
「半導体・AIには資金を残したい投資家がいる一方、相場全体には警戒感が強まっている」
という状態に近いでしょう。
では、なぜ日経平均はこれほど下がったのか?
ここで重要になるのが円高です。
今日のドル円は一時152円台まで円高が進みました。
先週まで160円近辺も意識されていたことを考えると、かなり急激な変化です。
日本には輸出企業が多いため、急速な円高は企業業績への影響を警戒する材料になります。
そのため、
半導体・AIの一部は買われる
一方で、
輸出関連株などには売りが出る
という状況が生まれました。
これが今日の「テーマは強いのに指数は弱い」という相場につながったと考えられます。
もう一つ無視できなかった「中東情勢」
今日の後場を語るうえで、もう一つ重要だったのが中東情勢です。
午後にはサウジアラビアのエネルギー関連施設での火災に関する報道を受け、原油価格が上昇する場面がありました。
原油価格が上昇すると、
エネルギーコスト
↓
企業コスト
↓
インフレ
↓
金利
という連想につながる可能性があります。
そのため、株式市場では単純に「原油が上がったからエネルギー株が上がる」というだけではなく、
世界経済やインフレへの影響
まで意識されます。
今日はそこに急速な円高も重なりました。
昨日とは市場を取り巻く条件が大きく変わったわけです。
朝に立てた5つの仮説を答え合わせ
ここで、朝の記事の内容を実際の相場と照らし合わせてみます。
① 半導体は昨日の強さを維持できるか?
→ 一部ではYES。
今日もアドバンテスト、東京エレクトロンなどAI・半導体関連には買いが入る場面がありました。
ただし、昨日のような全面的な勢いではありませんでした。
② AI関連に資金が残っているか?
→ YES。ただし選別色が強い。
ソフトバンクグループなど、一部の大型AI関連には買いが入りました。
つまり、
AIというテーマそのものが崩れたわけではない
と見ることができます。
③ データセンター・通信へ広がるか?
→ 資金の広がりは確認できたものの、市場全体の弱さが上回った。
AI・半導体周辺の銘柄に買いが入る一方、円高や外部環境への警戒が強まりました。
今日のような相場では、
「テーマが強いか」
だけではなく、
「そのテーマが市場全体の売りを吸収できるほど強いのか」
を見る必要があります。
④ 素材・部材まで買いが広がるか?
→ 一部で買いが見られた。
半導体関連の一角には引き続き買いが入りました。
ただし、テーマ全体へ一直線に資金が広がるような状況ではありませんでした。
⑤ 市場全体にも資金が広がるか?
→ これはNO。
今日の一番大きな答えです。
日経平均は大きく下落し、TOPIXも4,050.33、前日比75.47ポイント安となりました。
つまり、
AI・半導体の一部は強い
けれど、
日本株全体は弱い。
今日の相場は、この二つを分けて考える必要がありました。
「指数」と「中身」を分けて見る大切さ
今日の相場から、改めて感じたことがあります。
それは、
日経平均だけを見ていると、相場の中身を見失うことがある
ということです。
日経平均が1,130円下落。
この数字だけを見ると、
「今日は全部ダメだった」
ように見えます。
しかし実際には、
AI・半導体の一部には買いが入っていた。
ここに市場を見る面白さがあります。
指数を見る。
↓
業種を見る。
↓
テーマを見る。
↓
個別銘柄を見る。
↓
出来高を見る。
こうやって一段ずつ掘り下げていくと、
「指数は下がったけど、どこにお金が残っているのか」
が少しずつ見えてきます。
昨日の夜から今日までを一本につなげてみる
ここで、昨日の夜の記事から今日までを振り返ってみます。
昨日は、
SOXの強さ
↓
日本の半導体
↓
AI・データセンター
という流れが確認できました。
そのため昨日の夜は、
「AI・半導体の反転攻勢が続くのか」
という視点を持ちました。
そして今朝は、
「昨日の大幅高の勢いが今日も続くのか?」
と問いを変えました。
実際には、
朝:
半導体・AIに買い
↓
日経平均が一時プラス
↓
午後:
円高+中東情勢への警戒
↓
市場全体が売られる
↓
それでも一部のAI・半導体には買い
↓
日経平均は1,130円安
という結果になりました。
この流れを見ると、
今日の相場は単純な「AI・半導体崩壊」ではありません。
今日の相場から見えた「今のお金の居場所」
今日一日を通して考えると、現在の市場では、
AI・半導体への関心が完全に消えたわけではない。
ただし、
市場全体に積極的にリスクを取る雰囲気は弱くなった。
この二つが同時に存在しているように見えます。
つまり、
「買いたいテーマはある。でも何でも買える相場ではない」
という状態です。
こういう相場では、
「今日は何が上がった?」
だけではなく、
「下落している相場の中で、それでも買われたものは何だったのか?」
を見ることが重要になります。
明日につながるポイント
では、明日は何を見るのでしょうか。
今日の相場を踏まえると、まず確認したいのは、
① 半導体・AIが今日の売りを吸収できるか
今日も買われた銘柄が、明日も底堅いのか。
② 円高が続くのか
152円台まで進んだ円高が一時的なものなのか。
それとも、さらに円高方向へ進むのか。
これは日本株全体を見るうえで重要です。
③ データセンター・電力・空調に資金が移るのか
半導体が一服した場合、
AIインフラの周辺テーマ
に資金が移る可能性があります。
④ 日経平均とTOPIXの差
指数を押し上げる一部の大型株だけが強いのか。
それとも市場全体が戻ってくるのか。
ここも継続して確認します。
今日の答え合わせ
朝の記事では、
「昨日の主役が今日も主役なのか?」
という問いを立てました。
答えは、
「一部ではYES。ただし市場全体ではNO」
でした。
半導体・AIの一部には買いが入りました。
しかし、
急速な円高、
中東情勢への警戒、
原油価格の上昇、
そして昨日の大幅高の反動。
これらが重なり、日本株全体では売りが優勢になりました。
今日の相場を見ていて面白かったのは、
「日経平均が大きく下落したこと」
だけではありません。
その中でも、
どこに資金が残っていたのか。
ここです。
まとめ:相場は「上がった・下がった」だけでは見えない
今日の日本株は、
日経平均-1,130円。
かなり大きな下落でした。
昨日の1,378円高から一転し、3営業日ぶりの反落です。
ただし、その数字だけで今日の相場を終わらせるのは少しもったいない。
朝にはAI・半導体が買われ、日経平均がプラスに戻る場面もありました。
ところが午後になると、
円高
中東情勢
原油価格
などへの警戒が強まり、相場全体が崩れました。
それでもAI・半導体の一部には買いが残りました。
つまり今日の市場は、
「AI・半導体が終わった日」ではなく、「AI・半導体の強さと市場全体の弱さが同時に見えた日」
だったと考えています。
そして、これこそ朝から相場を追いかける意味があります。
朝の時点では、
「昨日の主役が今日も強いのか?」
という仮説しかありません。
実際に市場が始まると、
朝は買われた。
でも、
午後は売られた。
それでも、
一部のテーマには資金が残った。
こうして一日の動きを追いかけることで、
「今日は上がった」
「今日は下がった」
だけでは見えない、
市場のお金の流れ
が少しずつ見えてきます。
明日も、
株価だけではなく、出来高・テーマ・指数の中身
を確認しながら、
「今日、市場のお金はどこへ向かったのか?」
を追いかけていきたいと思います。
読んでくれた方に幸あれ
👉 明日の仮説を立てていきます🌅



