日本株にとって、10月8日は大きな転換点となる一日だったのかもしれません。
10月6日には日経平均が70,761円まで上昇し、7万円台を大きく上回りました。
ところが7日は648円安。
そして今日、10月8日はさらに下落しました。
日経平均の終値は、
69,042円11銭
前日比では、
993円60銭安(-1.42%)
となりました。
しかも今日の安値も69,042円11銭。
つまり、**ほぼ一日の安値のまま取引を終える「安値引け」**です。TOPIXも62.65ポイント安の4,091.46となりました。
朝の相場チェックでは「7万円を取り戻せるか」が大きなポイントでした。
実際の市場は、その予想とは逆方向へ動きました。
では、今日の日本株では何が起きていたのでしょうか。
まず結論。今日は「押し目」ではなく、売りが広がった一日
今日の相場を一言で表すなら、
「AI・半導体株の調整が市場全体へ広がった一日」
と見ることができます。
朝方から売りが先行し、日経平均は69,840円64銭でスタート。
その後も戻りが鈍く、午前9時41分には69,195円まで下落しました。前場終了時点では69,373円40銭となり、東証プライムでは値下がり銘柄が1,356、値上がりが169と、売りが大きく優勢でした。
そして後場に入っても流れは変わらず、最終的には69,042円11銭まで下げました。
つまり今日は、
「7万円を割ったけれど、すぐに戻す」
という展開ではありませんでした。
7万円を割る
↓
戻せない
↓
さらに売られる
↓
安値引け
という形になりました。
朝に見ていた「7万円」はどうなったのか
今朝の記事では、昨日の安値が70,017円19銭だったことから、
「7万円が市場にとって重要なラインになる」
と考えていました。
実際、昨日は7万円をほぼ割らずに取引を終えています。
しかし今日は、そのラインを明確に下回りました。
しかも一度だけ割ったわけではありません。
日経平均は69,000円台まで下落し、最終的には69,042円11銭で終了しています。
ここから分かるのは、
7万円が「強い下値支持」として機能したとは、現時点では言いにくい
ということです。
もちろん、これだけで今後も下落すると決まったわけではありません。
ただ、短期的には昨日までとは見方を変える必要が出てきました。
なぜ今日ここまで売られたのか?
背景には複数の要因があります。
まず大きかったのが、前日の米国株安です。
米国では長期金利の上昇が警戒され、NYダウやNASDAQ、S&P500がそろって下落。
SOXも下落しました。
さらに米10年債利回りが一時5.36%台まで上昇したことで、これまで大きく上昇してきたハイテク・AI関連株への利益確定売りが意識されました。
日本市場もこの流れを引き継ぎ、朝から売りが優勢となりました。
さらに半導体株へ売りが重なった
今日の相場を考えるうえで、もう一つ重要だったのが半導体です。
これまで日本株を強烈に引っ張ってきた、
- アドバンテスト
- 東京エレクトロン
- TDK
- イビデン
- フジクラ
- 村田製作所
- ソフトバンクグループ
などに売りが出ました。
日経平均へのマイナス寄与度を見ると、
ソフトバンクグループ
東京エレクトロン
TDK
アドバンテスト
イビデン
の5銘柄だけで、日経平均を約604円押し下げています。
これはかなり大きなポイントです。
昨日までの相場では、
AI・半導体が日経平均を押し上げる
という構図がありました。
ところが今日は、
AI・半導体の主力株が日経平均を押し下げる
側に回りました。
ここが、昨日までとの大きな違いです。
TSMCの月次売上高も材料になった
後場には台湾のTSMCが9月の月次売上高を発表しました。
前年同月比では54.6%増と非常に強い数字でした。
一方、前月比では0.6%減。
この数字を市場がネガティブに受け止め、発表後に半導体関連株の一角で売りが強まったと報じられています。
ここは少し面白いところです。
AI・半導体需要そのものが急激に消えたわけではありません。
それでも、これまで株価がかなり上昇していたことで、
「良い材料が出ても、さらに買い上がるのか?」
という段階に入っている可能性があります。
つまり今日の下落は、単純な「半導体需要の悪化」だけで説明するのではなく、
これまでの上昇に対する利益確定や過熱感
も合わせて考える必要があります。
今日の相場で意外だったのは「逃げ先」も強くなかったこと
朝の相場チェックでは、
「半導体が弱いなら、次にどこへ資金が向かうのか」
を重要なポイントとしていました。
候補として、
- 電線・通信
- データセンター
- 電力・空調
- 設備関連
などを見ていました。
ところが今日は、これらも全面的に強くなる展開にはなりませんでした。
フジクラ、住友電工、ダイキン、三菱電機などにも売りが出ています。
つまり、
「半導体から別のAI関連へ資金が移った」
というより、
「これまで買われていた大型株全体に利益確定売りが広がった」
と見るほうが今日の市場には合っています。
それでも買われた銘柄はあった
ここが今日の相場を全部「全面安」とだけ考えないほうがいい理由です。
日経平均が約1,000円下落する中でも、
- リクルートHD
- KDDI
- トレンドマイクロ
- バンダイナムコHD
- 大塚HD
- ホンダ
- コナミグループ
- 野村総合研究所
- セコム
- 任天堂
などは堅調でした。
特に目立ったのが、サイバーセキュリティ関連です。
トレンドマイクロ、デジタルアーツ、セグエグループなどが上昇しました。
これは今日の資金の流れを見るうえで重要です。
市場全体から資金が完全に消えているわけではなく、
「これまでの大型AI・半導体主導の相場から、個別材料を持つ銘柄へ資金が向かう」
動きも見られました。
業種別に見ると、さらに今日の特徴が分かる
東証33業種では、上昇したのは7業種。
上昇率上位は、
海運
サービス
ゴム製品
陸運
医薬品
でした。
一方、下落率上位は、
非鉄金属
ガラス・土石
機械
銀行
金属製品
となりました。
前日まで強かったテーマから、今日はいったん資金が離れる動きが目立ちました。
東証プライムでは値上がり327銘柄に対し、値下がりは1,182銘柄。
値下がり銘柄の割合は約76%でした。
この数字を見ると、今日が単なる日経平均の特殊な下落ではなく、市場全体に売りが広がった日だったことが分かります。
朝のシナリオと比べてみる
今朝の記事では、3つのポイントを見ていました。
① 7万円を取り戻せるか
→ 取り戻せず。
むしろ69,000円台まで下落しました。
② 半導体が下げ止まるか
→ 主力株に売りが継続。
アドバンテスト、東京エレクトロン、TDK、イビデンなどが日経平均の下押し要因となりました。
③ 資金が次のテーマへ移るか
→ 一部では移動が見られたものの、市場全体では売りが優勢。
サイバーセキュリティ関連など一部のテーマには資金が向かいましたが、AI・半導体から大きく別テーマへ資金が移るというより、全体的な利益確定売りが強い一日でした。
つまり朝の段階で警戒していたシナリオが、そのまま現実になった形です。
昨日の夜の記事から見ると、さらに分かりやすい
昨日の夜の記事では、
「7万円を超えた後、資金がさらに広がるのか」
という点を見ていました。
ところが今日の相場は、その期待をいったん打ち消す動きになりました。
10月5日には日経平均が大幅上昇。
10月6日も7万円台を維持。
10月7日に反落。
そして10月8日には、
69,042円まで下落。
わずか数日で相場の温度が大きく変わっています。
だからこそ、今後は「7万円を突破した」という事実だけを見るのではなく、
その後の7万円を守れるのか
を見る必要があります。
では、明日から何を見るのか
今日の相場を受けて、短期的には少し慎重に見たいところです。
まず重要なのが、
69,000円台で下げ止まるか。
今日の終値は69,042円11銭。
そのため、明日以降は69,000円付近で売りが続くのか、それとも反発が入るのかが一つのポイントになります。
次に、
7万円を再び回復できるか。
ここも重要です。
さらに、
半導体主力株が反発するのか。
それとも、
サイバーセキュリティなど別のテーマが主役になるのか。
この資金の変化を見ていきたいところです。
5分足26MAで見るなら「反発したか」だけでは足りない
短期売買では、今日のような大幅下落の翌日こそ注意が必要です。
大きく下げた後に少し反発すると、
「底を打ったのでは?」
と考えたくなります。
しかし、そこで飛びつくのではなく、
5分足26MAを回復できるか
を確認します。
さらに、
出来高が伴っているか。
そして、
RSI・RCI(9)が反転しているか。
この順番で見ていきます。
単純な「下がったから買う」ではなく、
売りが止まったことを確認してから狙う。
今日のような相場では、この考え方が特に重要です。
まとめ|7万円割れは「相場が終わった」のではなく、流れが変わったサインかもしれない
10月8日の日本株は、日経平均が993円60銭安の69,042円11銭となり、7万円を明確に割り込んで安値引けとなりました。TOPIXも1.51%下落しています。
背景には、
米国株安
↓
米長期金利上昇
↓
AI・半導体株への利益確定
↓
日本の大型株へ売りが波及
という流れがありました。
さらにTSMCの月次売上高発表後には半導体関連株の一角で売りが強まり、原油価格への警戒も市場心理を冷やしました。
一方で、すべての銘柄が売られたわけではありません。
KDDIやリクルート、トレンドマイクロなど、一部には強い動きもありました。
つまり今日の相場から見えてきたのは、
「日本株が終わった」ということではありません。
むしろ、
これまでのAI・半導体主導の強い上昇相場から、次の資金の流れを探す段階に入った
と考えることができます。
10月5日に7万円を目指し、6日に70,000円台を大きく上回った日経平均。
そこから7日、8日と続落し、今日は69,000円台まで押し戻されました。
ここから重要なのは、下落を恐れてすべてを見ることでも、反対に「安くなったから買う」と考えることでもありません。
どこで売りが止まり、どの銘柄に再び資金が入るのか。
そこを確認することです。
明日以降は、日経平均69,000円付近の攻防、7万円の再奪回、半導体主力株の反発、そして今日強かったサイバーセキュリティなどの継続性。
このあたりを確認しながら、相場の次の主役を探していきたいと思います。
読んでくれた方に幸あれ
👉 明日の仮説を立てていきます🌅



