今週の日本株は、ただの「下落相場」ではなかった
今週の日本株を振り返ると、かなり値動きの大きな1週間でした。
日経平均は週初から上値が重くなり、途中では大幅な下落も発生。
一方で週末には大きく反発する場面もありました。
8月28日の終値は66,405.56円。
それに対して9月4日の終値は65,020.94円。
1週間で見ると、
-1,384.62円
-2.09%
となりました。
ただし、数字だけを見ると、
「今週は日本株が弱かった」
で終わってしまいます。
今回の1週間で本当に面白かったのは、
「どこが売られたのか」
そして、
「売られたあと、どこに買いが戻ったのか」
という部分でした。
これまで毎日の相場チェックで追ってきた、
AI
半導体
データセンター・通信
素材・非鉄
電力・空調
というテーマを1週間まとめて振り返ってみます。
まずは今週の流れを5日間で整理
今週は、大きく分けると3つの場面がありました。
前半
週明けから金利や原油などへの警戒が意識される。
↓
9月2日
売りが一気に強まり、日経平均が大幅下落。
↓
後半
売りが一服し、AI・半導体を中心に買い戻し。
↓
9月4日
日経平均は806円高まで反発。
この流れを見ると、
「下がった1週間」
というより、
「売りが広がる → 急落する → 買い戻される」
という相場だったことが分かります。
月曜日|まだ大きく崩れてはいなかった
8月31日の日経平均は、
66,311.93円
で取引を終えました。
前週末の66,405.56円からは小幅な下落です。
TOPIXは4,156.29ポイント。
この時点では、まだ市場全体が大きく崩れたという印象ではありませんでした。
ただ、ここから相場の雰囲気が少しずつ変わっていきます。
火曜日|一度は買い戻されたものの、警戒感は残った
9月1日の日経平均は、
66,215.34円
で終了。
前日比では小幅安となりました。
一方、TOPIXは、
4,181.86ポイント
まで上昇。
ここで一つ面白いことが起きています。
日経平均は弱い
一方で、
TOPIXは上昇
しています。
つまり、
日経平均に影響の大きい銘柄が弱くても、日本株全体では買われている銘柄が存在する
ということです。
この時点では、まだ「市場全体が崩れた」とは言い切れませんでした。
水曜日|今週最大の急落
そして9月2日。
今週の相場を語るうえで、一番大きな転換点になった日です。
日経平均は、
64,325.64円
まで下落。
前日比では、
-1,889.70円
-2.85%
という大幅安になりました。
TOPIXも、
-2.40%
と大きく下落。
さらに東証プライム市場では9割を超える銘柄が下落する全面安の展開となりました。
この日の相場で強く意識されたのが、
原油高
金利上昇
円相場
です。
つまり、単純に
「AI株が売られたから下がった」
だけではありません。
市場全体が、
インフレ → 金利 → 株価
という流れを強く意識する局面になりました。
ここで「AI・半導体」の見方が変わった
これまで私たちは、
AI・半導体が強い
↓
日経平均も強い
という流れを何度も確認してきました。
ところが水曜日は、その逆です。
AI・半導体関連が売られる。
↓
日経平均への影響が大きい銘柄が下落。
↓
日経平均も大幅安。
この動きを見ることで、
「現在の日本株はAI・半導体の影響をかなり強く受けている」
ということが改めて分かりました。
だからこそ、今回の急落は、
「AI・半導体の相場が終わった」
と判断する材料ではありません。
むしろ、
「AI・半導体が売られた時、市場全体がどう反応するのか」
を確認できた日だったと思います。
木曜日|売りが少し落ち着き始める
9月3日の日経平均は、
64,214.48円
で終了。
前日比では111.16円安でした。
ところがTOPIXは、
4,102.04ポイント
まで上昇し、
+0.50%
となりました。
ここでも、
日経平均とTOPIXの違い
が出ています。
水曜日の全面安から少し落ち着き、
売られる銘柄と買われる銘柄が分かれ始めた
と見ることができます。
そして、この日の相場からもう一つ重要なことが見えてきました。
それが、
資金の向かう先が一つではなくなっている
ということです。
金曜日|大幅反発。でも「完全復活」とはまだ言えない
そして9月4日。
今週最後の取引日です。
日経平均は、
65,020.94円
で終了。
前日比、
+806.46円
+1.26%
となりました。
水曜日に1,889円下落したあと、金曜日には806円上昇。
かなり大きな反発です。
しかも朝からずっと一方向に上昇したわけではありません。
9月4日の日経平均は、
始値
64,498.94円
安値
64,228.47円
からスタート。
そこから上昇し、
高値は
65,182.45円
まで伸びました。
つまり、
「売りが出ても、その後に買い戻される」
という動きが見られたわけです。
🤖 AI関連|今週も最後まで市場の中心だった
今週を通して見ても、AI関連は無視できませんでした。
特に金曜日は、
ソフトバンクグループ
などAI関連の一角が大きく上昇。
一方で、日経平均が上昇しているにもかかわらずTOPIXが弱い場面もありました。
これは、
「日本株全体が一斉に買われた」
というより、
「日経平均への影響が大きい銘柄に買いが集中した」
可能性を考える必要があります。
ここは今週の重要ポイントです。
日経平均が800円上がった。
↓
「日本株が全面的に強い」
と考えるのではなく、
「何が日経平均を押し上げたのか?」
を見る。
これが今回の1週間で改めて重要になりました。
🟥 半導体|「売られた後」を見る週だった
半導体については、今週かなり振り回されました。
これまで日本株の主役だった半導体関連に売りが広がる。
↓
日経平均も大きく下落。
↓
その後、買い戻しが入る。
という流れです。
だから今週の半導体を見る時に重要だったのは、
「上がったか、下がったか」
だけではありません。
むしろ、
「売られた後に誰が買ったのか」
です。
水曜日の急落後も、半導体関連が完全に市場から消えたわけではありませんでした。
金曜日には米国株の反発などを背景に、半導体関連にも買いが入りました。
つまり現時点では、
「半導体相場が終わった」
と決めつけるより、
「大きく調整したあと、再び買いが入る力が残っている」
と見る方が自然です。
ただし、
一日反発しただけで上昇トレンド復活と判断するのも早い。
ここは来週も確認していきたいところです。
🖥️ データセンター・通信|資金の広がりを確認する場所
データセンター・通信関連も、今週の監視テーマでした。
AIが成長する。
↓
データセンターが必要になる。
↓
通信や光ファイバーなどのインフラが必要になる。
この流れは変わっていません。
ただし株式市場では、
「AIの需要がある」
ことと、
「今日その関連株が買われる」
ことは別です。
だからフジクラや古河電気工業などを見る時も、
テーマ名だけで判断しない。
株価と出来高を確認する。
さらに、
半導体より強いのか?
AIより強いのか?
を比較する。
これが大切です。
🟨 素材・非鉄|今週は「次の資金」を考えるテーマ
半導体関連を見る時には、素材・部材も忘れられません。
半導体が作られる。
↓
製造装置が必要になる。
↓
素材・部材が必要になる。
という関係があります。
そのため、半導体関連への買いが戻ってきた時には、
「その買いが素材まで広がるのか?」
を見ることができます。
これまで監視してきたJX金属なども、
半導体+素材
という視点から引き続きチェックしていきたいところです。
⚡ 電力・空調|まだ主役ではないからこそ観察する
今週も電力・空調関連は、AI・半導体ほど大きな主役にはなりませんでした。
でも、監視を続ける意味はあります。
AIが広がる。
↓
データセンターが増える。
↓
大量の電力が必要になる。
↓
冷却設備も必要になる。
この構造があるからです。
ただし、
将来需要がある
=
今日株価が上がる
ではありません。
だから今は、
出来高が増え始めるか。
ここを見る段階です。
🌎 今週は「日本株だけ」を見ても分からなかった
今週の相場を理解するには、日本株だけでは不十分でした。
米国市場。
SOX。
NASDAQ。
米国金利。
原油。
為替。
これらが日本株にも影響しています。
特に9月2日の急落局面では、原油高や世界的な金利上昇が日本株の重しになりました。
一方、9月3日にはFRBのウォラー理事の発言を受けて米国の利上げ観測が後退し、米10年債利回りが低下。
米国株は反発しました。
そして、その流れが9月4日の日本株にも影響しました。
つまり、
米国市場
↓
金利
↓
NASDAQ・半導体
↓
日本のAI・半導体
↓
日経平均
という流れを見る必要があったわけです。
📊 今週、改めて分かった「日経平均だけでは足りない理由」
今週の記事で何度も出てきたのが、
日経平均とTOPIXの違い
でした。
9月2日は、
日経平均
-2.85%
TOPIX
-2.40%
で、かなり広い範囲が売られました。
ところが9月3日は、
日経平均
-0.17%
TOPIX
+0.50%
となっています。
そして9月4日は、
日経平均
+1.26%
でしたが、TOPIXは最終的に
+0.03%
にとどまりました。
この違いを見ると、
「日経平均が上がった=日本株全体が強い」
とは限らないことが分かります。
今週はまさに、
指数の数字だけでは市場の中身が分からない
ということを確認できる1週間でした。
💴 そして「資金は消えたのか?」
今週の急落を見ると、
「株式市場からお金が逃げた」
ように感じます。
でも、ここも少し違う見方ができます。
株式市場では、
あるテーマが売られる。
↓
別のテーマが買われる。
という資金移動が起きることがあります。
今週はAI・半導体が大きく売られる場面がありました。
その一方で、TOPIXが上昇する日もありました。
つまり、
「全部が売られているわけではない」
ということです。
だから今後も、
AI・半導体から資金が逃げたのか?
ではなく、
「逃げた資金はどこへ向かったのか?」
という視点を持っておきたいと思います。
🦊 今週の相場から学んだ「市場を見る力」
今週は、これまで続けてきた相場の見方がかなり分かりやすく出た1週間でした。
最初は、
「今日は上がるのか、下がるのか」
を考える。
でも、それだけでは分からない。
次に、
「何が上がっているのか?」
を見る。
さらに、
「その関連銘柄も上がっているのか?」
を見る。
そして、
「出来高は増えているのか?」
を見る。
最後に、
「その資金は次にどこへ向かっているのか?」
を見る。
これが今回ずっと続けてきた、
「市場のお金の流れを見る」
という考え方です。
🔍 今週の相場を一言で表すなら
今週の日本株を一言で表すなら、
「AI・半導体を中心に大きく揺れたが、資金が完全に市場から消えたわけではなく、買い戻しとテーマ間の資金移動が見えた1週間」
だったと思います。
日経平均は週間で1,384円安。
9月2日には1,889円安。
かなり厳しい下落でした。
しかし9月4日には806円高。
一方でTOPIXとの動きには違いがありました。
だから、
「今週は日本株が弱かった」
だけでは終わらせられません。
🌱 来週につながるチェックポイント
来週は、今週の急落と反発を踏まえて、次の5つを確認したいと思います。
① 半導体の反発は続くのか
一日だけの買い戻しなのか。
それとも出来高を伴って上昇が続くのか。
② AI関連に再び資金が集まるのか
今週の急落後もAI関連への注目が残っているのか。
③ データセンター・通信へ資金が広がるのか
AI・半導体の反発が周辺テーマまで波及するのか。
④ 素材・非鉄に変化が出るのか
半導体関連の買いが素材・部材まで届くのか。
⑤ 電力・空調に出来高が入るのか
まだ主役ではないテーマに、先回りする資金が入ってくるのか。
そしてもちろん、
米国金利
NASDAQ
SOX
原油
ドル円
も引き続き確認します。
🌙 今週のまとめ|「下がった1週間」ではなく「お金の動きを学べた1週間」
今週の日経平均は、
66,405.56円
から始まり、
65,020.94円
で終了。
週間では、
-1,384.62円
となりました。
途中には、
-1,889.70円
という大幅下落もありました。
一方で週末には、
+806.46円
の反発。
この数字だけを見ると、かなり荒い相場だったことが分かります。
でも今回の1週間で一番大切だったのは、
「日経平均がいくら下がったか」
ではありません。
AI・半導体が売られた。
↓
日経平均が大きく下落した。
↓
TOPIXとの違いが出た。
↓
売りが一巡した。
↓
再びAI・半導体に買いが入った。
↓
日経平均が大きく反発した。
この流れです。
つまり今週は、
「株価が上がった・下がった」
だけではなく、
「市場のお金がどこから出て、どこへ向かったのか」
を考える材料がたくさんあった1週間でした。
株式市場では、
昨日まで強かったテーマが突然売られることがあります。
逆に、
昨日まで目立たなかったテーマに突然資金が集まることもあります。
だからこそ、
株価
出来高
テーマ
指数
米国市場
を一つずつつなげて見る。
そして、
「今、市場のお金はどこにあるのか?」
を考える。
これからも、この視点を大切にしながら毎日の相場を見ていきたいと思います。
来週は、今週の急落から戻り始めたAI・半導体が本当に再び市場の中心になるのか。
それとも別のテーマへ資金が移っていくのか。
「次に市場のお金が向かう場所」
を探しながら、また一日ずつ答え合わせをしていきます。
読んでくれた方に幸あれ



