今週の日本株は、AI・半導体関連株への売りが相場全体を揺さぶる、厳しい1週間となりました。
日経平均株価は週末に62,693円16銭で取引を終え、前週末から2,631円13銭下落。下落率は約4.03%となりました。
週間を通して見ると、月曜日と火曜日に続落し、水曜日には反発。しかし、木曜日には1,700円を超える大幅安となり、金曜日も続落しました。
特に印象的だったのは、AIや半導体という、これまで株式市場をけん引してきた分野に対して、投資家の見方が慎重になったことです。
なぜ、成長が期待されている分野の株がこれほど売られたのでしょうか。そして、来週は何を見ておけばよいのでしょうか。
今回は、今週の値動きをたどりながら、日本株市場で起きていた変化を整理します。
まずは数字で振り返る、今週の日本株
今週の日経平均は、5営業日のうち4営業日で下落しました。
| 日付 | 日経平均終値 | 前日比 |
|---|---|---|
| 10月19日(月) | 64,916.70円 | −407.59円 |
| 10月20日(火) | 64,075.42円 | −841.28円 |
| 10月21日(水) | 64,621.24円 | +545.82円 |
| 10月22日(木) | 62,907.84円 | −1,713.40円 |
| 10月23日(金) | 62,693.16円 | −214.68円 |
週末の終値は6万3,000円を下回り、週間では約4%の下落となりました。
特に木曜日の下落幅が大きく、翌金曜日も下げ止まったとは言い切れない結果となりました。
ただし、金曜日は朝方に一時61,462円61銭まで下落した後、終値では62,693円16銭まで戻しています。
一時的に大きく売られた後に買い戻しが入ったことは確認できますが、これだけで下落相場が終わったと判断することはできません。
今週の主役は、なぜ半導体株だったのか
今週の相場を理解するうえで重要なのが、米国のAI・半導体関連株をめぐる不安です。
AIは今後の社会や産業を変える可能性がある技術として、大きな期待を集めています。データセンターの建設、半導体の需要拡大、通信設備や電力設備への投資など、関連する分野も幅広く存在します。
一方、AIの普及には巨額の設備投資が必要です。
そこで市場では、AI関連企業が投じた資金を将来の利益で回収できるのか、投資に見合う収益を生み出せるのかという点が、改めて意識されるようになりました。
米国の半導体関連株が大きく売られると、日本市場でも半導体製造装置や関連部品を手がける企業に売りが波及しました。
日本株には、半導体関連の大型株が日経平均を大きく動かしやすいという特徴もあります。そのため、特定の銘柄群が売られるだけでも、指数全体が大幅に下落することがあります。
つまり、今週の下落は単に日本企業の業績が悪化したという話ではありません。米国市場の動きやAI投資への期待、投資家の利益確定など、複数の要因が重なった展開として捉える必要があります。
水曜日の反発が、木曜日には続かなかった
今週の値動きで注目したいのは、10月21日と22日の対比です。
水曜日の日経平均は545円82銭上昇し、3営業日ぶりに反発しました。下落が続いていたため、買い戻しを期待した投資家もいたと考えられます。
ところが、翌木曜日には1,713円40銭安と大幅に下落しました。
この動きから分かるのは、1日反発しただけでは、相場の流れが変わったかどうか判断できないということです。
株価が大きく下がった後には、短期的な買い戻しが入ることがあります。しかし、その後も売りが続けば、反発は一時的なものに終わる可能性があります。
短期売買では、反発したという事実だけで買うのではなく、その後も買いが続くか、出来高が増えているか、重要な移動平均線を回復できるかを確認することが大切です。
半導体だけを見ていると、相場を見誤ることも
日経平均が大きく下落した週でしたが、すべての銘柄が同じように動いたわけではありません。
週間ではTOPIXも下落しましたが、日経平均より下落率は小さくなりました。日経平均への影響が大きい半導体などの銘柄群が、指数を強く押し下げたことがうかがえます。
こうした局面では、日経平均の数字だけで市場全体を判断しないことが重要です。
いつもの監視テーマについても、それぞれの値動きを分けて確認したいところです。
半導体・AI関連
アドバンテスト、東京エレクトロン、SCREEN、KOKUSAI ELECTRIC、TOWA、ローツェなど。
米国の半導体株安が続くのか、日本の主力株に買い戻しが入るのかが注目点です。値下がりしたという理由だけで買わず、反発の強さを確認する必要があります。
電線・通信・データセンター関連
フジクラ、古河電工、住友電工、SWCCなど。
AIやデータセンターの拡大に関連する分野ですが、半導体株と常に同じ値動きになるわけではありません。指数が弱い中でも相対的に強い銘柄があるかを確認します。
電力設備・空調関連
日立、三菱電機、富士電機、ダイキン、ダイダンなど。
データセンターには電力供給や冷却設備も必要です。ただし、長期的な需要が期待できることと、短期的に株価が上がることは別の話です。個別の株価や出来高を見ながら判断したいところです。
重要なのは、テーマの人気だけで銘柄を選ぶのではなく、実際に資金が入っているかを確認することです。
来週は何に注目すればよいのか
来週は、AI・半導体株の下落が落ち着くかどうかに加え、米国の大型ハイテク企業の決算や日米の金融政策に関する動きが注目されます。
企業決算では、売上高や利益だけでなく、AI関連投資の規模、今後の業績見通し、設備投資に対する考え方にも目を向けたいところです。
日本市場では、次の3点を確認したいと考えています。
1.半導体株の売りが一巡するか
アドバンテストや東京エレクトロンなどの主力株が下げ止まり、反発時に出来高が増えてくるかを確認します。
2.日経平均が6万2,000円台を維持できるか
今週は一時6万2,000円を下回る場面がありました。来週はこの水準を維持できるか、さらに下落するのか、反発して水準を戻せるのかが注目点です。ただし、特定の価格が必ず下値を支えるわけではありません。
3.個別株に買いが広がるか
日経平均だけでなく、TOPIXや値上がり・値下がり銘柄数も確認します。半導体以外の分野に買いが入っているかを比較することで、相場の中身を把握しやすくなります。
いつもの5分足チェックも忘れずに
短期売買では、相場全体の分析に加え、個別銘柄のエントリー条件を守ることも大切です。
私が確認したいのは、5分足の26MA、出来高、RSI・RCI(9)の組み合わせです。
株価が26MAを回復し、その上で値動きを維持できるか。反発する場面で出来高が増えているか。RSIやRCI(9)に反転の兆しがあるか。
これらを組み合わせて、買いの根拠が揃っているかを確認します。
大きく下がった銘柄を見て、すぐに「安くなったから買おう」と考えるのは危険です。下落が続いている最中なのか、売りが一巡して反発し始めたのかを見極める必要があります。
条件が揃わなければ、無理に取引する必要はありません。チャンスがない日に見送ることも、資金を守るための大切な判断です。
まとめ:今週の下落を、来週の判断材料にする
10月19日から23日までの日本株は、AI・半導体関連株への売りを中心に、日経平均が週間で2,631円13銭下落する厳しい相場となりました。
水曜日には反発したものの、木曜日には再び大幅安となり、金曜日も続落。AI関連投資への期待だけでなく、その投資が将来どのような利益につながるのかを市場が厳しく見始めていることが、今週の重要なポイントです。
ただし、今回の下落だけでAIや半導体の長期的な成長が終わったと判断することはできません。今後の企業決算や投資計画、実際の株価の動きを確認しながら、慎重に判断していく必要があります。
来週は、半導体株の売りが落ち着くか、反発が持続するか、そして他のテーマに買いが広がるかを見ていきたいところです。
相場が大きく動くときこそ、予想だけで売買せず、実際の値動きで判断する。
焦って利益を狙うのではなく、根拠のある場面を待ち、条件が揃ったときだけ行動する。この姿勢を大切にしながら、来週の市場を確認していきたいと思います。
読んでくれた方に幸あれ



